うがいでできる 糖尿病の改善?
はじめに
糖尿病と歯周病の病気の関係について
糖尿病と歯周病は、互いに悪影響を及ぼし合う密接な関係にあります。糖尿病患者は、健康な人に比べて歯周病にかかりやすく、また歯周病も重症化しやすいことがわかっています。
歯周病が糖尿病に与える影響
血糖コントロールの悪化
歯周病による炎症は、血糖コントロールを悪化させる可能性があります。歯周病菌が作り出す炎症物質が血液中に流れ込み、インスリンの働きを阻害するため、血糖値が上昇しやすくなります。
インスリン抵抗性の増大
歯周病の炎症は、インスリン抵抗性を増大させる可能性があります。インスリン抵抗性とは、インスリンが効きにくくなる状態のことで、血糖コントロールを悪化させる要因となります。
うがいで糖尿病が改善
血糖コントロールの指標としてヘモグロビンA1c がありますが、これを用いてクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いたうがいをすることで歯周病菌・糖尿病コントロールが改善するかを調べたところ、有効性が示された研究がありました。
以下は、大阪大学のウェブサイトからの引用です。
研究の内容
又吉特任講師らの研究グループでは、大阪府内の糖尿病クリニックを受診中の2型糖尿病患者173人(参加者が半分ずつになるよう「69歳以上」と「68歳以下」に区分して比較)に対して、半年間は水道水でうがいを、その後半年間はクロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行ってもらい、歯周病菌種数の変化と血糖値の変化を評価しました。その結果、クロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いてうがいを行うことで、口腔内に存在する悪性度の高い歯周病菌種が減少するとともに、「68歳以下」の比較的若い2型糖尿病患者において血糖コントロール状態が改善することが明らかになりました。
図.クロルヘキシジン配合マウスウォッシュうがいによる悪玉歯周病菌種の減少および糖尿病マーカー(HgA1c)改善の1例
引用ここまで
出典:https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240219_1
クロルヘキシジン配合マウスウォッシュを用いたうがいにより、口腔内の悪性度の高い歯周病菌が減少し歯周病が改善することにより、2型糖尿病改善につながったというものです。
うがいの方法は、25mlの溶液で1日3回(朝昼夕)各30秒間、6ヶ月間行うもので、用いられたマウスウオッシュはウエルテック社のコンクールF(25mlの水に10滴)でした。
この研究では「68歳以下」という比較的若い年齢層にのみ差が出たということですが、家庭でできる簡便なケアで悪玉歯周病菌を減少させ、ひいては糖尿病のコントロールにつなげることができるので、リスクのある方に広く用いていただきたい習慣と思います。
糖尿病の方は歯周病予防のために以下のことを心がけましょう
毎日の丁寧な歯磨き
歯周病予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも併用して、歯と歯の間の歯垢をしっかり除去しましょう。
歯科医院での定期的なチェックとクリーニング
糖尿病の方は、歯科医院で定期的にチェックとクリーニングを受けることが重要です。歯科医師や歯科衛生士による専門的なケアを受けることで、歯周病の早期発見・早期治療につながります。
血糖コントロール
糖尿病の血糖コントロールを良好に保つことは、歯周病予防にもつながります。医師の指示に従い、適切な食事療法や運動療法、薬物療法を行いましょう。
禁煙
喫煙は、歯周病を悪化させる大きな要因です。禁煙することで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
バランスの取れた食生活
バランスの取れた食生活は、全身の健康だけでなく、歯ぐきの健康にも重要です。ビタミンやミネラル、食物繊維などをバランスよく摂取し、免疫力を高めましょう。
最後に
糖尿病と歯周病は、密接に関係しているため、両方の病気の予防と治療を同時に行うことが大切です。定期的な歯科検診と、日々の丁寧なケアを心がけ、健康な毎日を送りましょう。
